静岡県掛川市
主祭神:己等乃麻知比売命 (ことのまちひめのみこと)
創建は、第13代政務天皇(ヤマトタケルの弟)の時代と伝わる。
祭神の己等乃麻知比売命 (ことのまちひめのみこと)は、春日大社に祀られる天児屋根命(あめのこやねのみこと)の母君。
名門・藤原家のご先祖で、言葉の神様とされる。
現在の場所に鎮座したのは、大同2年(807年)桓武天皇の勅命によるものと伝わる。
東海道沿いの難所に位置したこともあり、旅の安全や大願成就の神とされた。
「八幡宮」となったのは、武家の守り神として八幡信仰が広まった平安後期。
戦国時代を経て、徳川家康や秀忠から莫大な寄進を受けた後、江戸幕府の守り神として崇敬された。
「ことのまま」→「言葉のまま」→「願いが叶う」神社
として古くから信仰されてきたのである。
実に格式ある神社だが、、ひとつ逸話を。
千年以上に渡って、人々の願い事を叶え続けて来た神様だが、このロングランブームの火付け役になったのが、平安時代の大人気エッセイ「枕草子」だった。
225段「やしろは」にある一説、
「ことのままの明神、いとたのもし。さのみ聞きけんとや言われたまはんと思ふぞ、いとをかしき。」
これが、
「事任様は、その名の通り願いをかなえてくれる。素晴らしい。」
と、ストレートに解釈された。
「清少納言が言ってんだから間違いない!」
と、人気に更なる拍車がかかったという。
実は、当時の貴族社会には、美的理念を表現する方法がふたつがあった。
紫式部が源氏物語で描いたのは、
「もののあわれ(しみじみとした情緒美)」
で、清少納言が枕草子に綴ったのが、
「をかし(明るい知性的な美)」
の様なものかと。
簡単に言えば、言葉の奥に真意が見え隠れする微妙な表現というところか。
「をかし」というのは、「洒落っ気」みたいなもので、少し皮肉も交じっている。
なので、現代(の京都?)風に超訳すれば、
事任さんは、言葉の通り願いをかなえてくれはる。ほんに素晴らしい。。
・・・ていうかなぁ、お名前のまんまやんかぁ。
という感じになる。。かな。
人気の神様をちょっと茶化している。。かも。
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