石川県白山市
さぁ、今回は「白山(しらやま)さん」
「命をつなぐ親神様」
白山(標高2,702m)は、白山を水源とする九頭竜川、手取川、長良川とともに、水や農業の神様として、古代から山岳信仰の対象だった。
神社の創建は、2100年前、崇神天皇の時代とされる。
本宮北の舟岡山に、「まつりのにわ」と称して、白山を仰ぎ見る遥拝所を設けたのが始まり。
奈良時代の仏教伝来とともに、修行という概念が入り、遥拝から登拝へ。
過酷な自然にチャレンジ。
山頂を目指すという信仰のかたちが生まれた。
養老元年(717年)に、白山初登頂に成功、頂上に奥宮を建てた人物がいる。
修験僧・泰澄(たいちょう)
厳しい登山には、ピッタリの名前である。。
現在、白山頂上を中心とする約3000ヘクタールの広大な地域を本社境内を擁し、全国に点在する白山神社の総本社とされている。
祭神は、白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)
日本書紀に
「菊理媛神(くくりひめのかみ)」
として、一瞬登場する出自不明の女神である。
ある伝承には、国生み神話の主役イザナギの姉との記述がある。
義妹イザナミが産んだ赤ん坊の産声を聞き分けることができた。
とも言われている。
みんなには、
「オギャー」だが、
しらやまひめには、
「われは、太陽神の申し子なり」
と聞こえた。。らしい。
というわけで、産まれた子は、
アマテラス
と名付けられた。
また、弟夫婦(イザナギ・イザナミ)の喧嘩の仲裁もしたということで、
甥っ子の産声を聞き分け → 「聞くきり」
弟夫婦の仲を取り持った → 「くくり」
きくきりくくり → きくくり → くくりひめ → 縁結びの女神
という感じだろうか。。。
また、越前、越後といった地名の「越」も、しらやまひめが移動に利用した「輿(こし)」が語源という説あり。
イザナギが、自分の出身地であり、姉が住む北陸を「高志(こし/越)の国」と名付けたという話。
もうひとつ、
鎌倉時代の禅僧・道元が、宋から帰国する前夜のこと。
写経が間に合わず困っていたところを「しらやまさん」が手伝ったとの伝承がある。
神様が、お経を書いた。。
このことから曹洞宗永平寺は、白山権現を鎮守神/守護神とし、毎年夏に白山に参詣して奥宮前で、僧侶による般若心経を読誦が行われる。
仏教徒もくくってしまった女神様。。
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