住吉神社の南門を入ると、本殿にたどり着く前に別の社殿がある。
その名も「三日恵比須神社」
できたのは戦後のことで、当時この辺りに住んでいた藤井吉太郎さんという人が、那珂川でえびす様のご神像を拾ったことから話は始まる。
その後、商売は馬鹿当たりするわ、宝くじに当たるわ、あっというまに大金持ちに。
「ご利益を独り占めしてはいかん」ということで、昭和24年1月3日にこの地にご神像を祀ったところ、ご利益にあやかろうと多くの人が参拝するようになった。
「三日恵比寿」の名はここから来ている。
で、本題。
誰もが知る福の神の「えびす様」だが、だいたいこの神様は誰?
まあ日本の神様だが、書き方も「夷、戎、蛭子、蛯子、恵比寿、恵比須、蝦夷、胡、胡子・・」ほんと色々で、だいたいが「外から来た者」という意味である。
伝承の多くが、「海のむこうからやって来て」その土地に大漁・豊作をもたらしたありがたーい神様として崇められている。
由来は様々で、イザナギ&イザナミの子説、神武天皇のお父さん説、ヒンズー教の神「マハーカーラ」説、大黒天説、毘沙門天説、イルカ説、グジラ説、、。
ここでは、その中のひとつ「事代主神(ことしろぬしのかみ)説」を紹介したい。
日本にえびす信仰が生まれるずっと前からというこの神様を祀っていて、後にえびす様を祀ったという神社が全国にたくさんある。
その代表格が、事代主神系えびす社3千社の総本社、島根県松江市にある「美保神社」
松江市内と言っても、島根半島の東の端の端、美保関というちっちゃな漁師町にある。
昔から出雲大社の大黒様とあわせ「出雲のえびすだいこく」とセットで呼ばれており、人口7,000人足らずの町に巨大な社殿を構えている。
1300年以上の歴史があり、祭神は、三穂津姫神(みほつひめのみこと)と先述の事代主神。
このふたりは、日本神話で超有名な、あの大国主命(おおくにぬしのみこと)の妃と長男である。
義理の親子。。。
嫁いっぱいいたからね。。。
長男・事代主神は、日本書紀のいわゆる国譲りというクライマックスのシーンで登場。
父・大国主命が自分の国を明け渡すかどうか悩んでいる最中、なんと海で釣りをしていた。
「のんき」に釣りなのか、「覚悟の上」の釣りなのか。。どうなのよ?
天照大御神の使者からの「おまえ達の国を明け渡せ」という要求に「わかりました~」とあっさり承諾。
「民衆のため、争いを避けた」というイメージと、後に国が大きく発展したことから、釣り竿と大きな鯛を抱えてノー天気(?)に笑っている福の神の姿が生まれ、人々の信仰の対象となっていった。
(画像は気仙沼市の五十鈴神社より)
ところで、えびす様はどうも「鳴り物」が好きらしく、楽器や雅楽(音楽)演奏などの奉納が各地で盛んに行われているとのこと。
いやぁ、9月の「住吉祭」は続けるべきだね~。
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