ところで、福岡の土産と言えば何を思い浮かべるだろう?
ANAが運営するエアポートショップ「FESTA」のランキングによると、
1位:福太郎めんべい明太バター
2位:博多ぱいおう
3位:博多のごはん辛子明太子(明太チューブ)
4位:博多華味鳥 華からっと
5位:ゴボチ YUZUSUCO味
5つのうち2つに「明太」の名がついている。
そう、国中のほとんどの人が福岡=明太子/辛子明太子とイメージしている。
ということで今回は、博多区住吉に本社を置く「博多鳴海屋」をご紹介したい。
明太子という名前、そもそもは朝鮮語で原料のスケトウダラを朝鮮語で「明太(ミョンテ)」と呼ぶことが由来である。
スケトウダラの卵巣(タラコ)を唐辛子などでつけ込んだものを、辛子明太子という。
戦後、釜山から引き上げてきた「ふくや」の創業者・川原敏夫が乳酸発酵を伴う製法を開発。
それをきっかけに多くの業者が明太子製造を手がけ、福岡の新しい食材として根付いていった。
昭和3年(1928年)博多区対馬小路で、米穀商として商売を始めた「鳴海屋」も、戦後、福岡市柳橋連合市場で食料品店を開業した後、苦難の末に昭和43年(1968年)オリジナル「鳴海屋の辛子めんたい」の製品化に成功。
同年、本社の博多区住吉への移転とともに、既に築いていた高級料亭などの販路を中心に販売を拡大していく。
老舗百貨店・岩田屋にも、明太子製品としては初めて販売が認められた。
昭和50年(1975年)新幹線が博多駅まで繋がり、同業「福さ屋」が新幹線駅や東京三越に販路を築いてからは、「辛子明太子」の名が一気に全国で知られるようになった。
鳴海屋もその波に乗ったと言える。
「え?福岡に行くんだったら明太子買ってきてよ」とは、よく耳にするフレーズ。
現在、全国で流通する明太子製品の8割が、メイドイン九州だという。
福岡に拠点を置く約200の専門業者が市場を独占しているのである。
すっかり食文化とてして定着した明太子だが、その後は、おにぎり・パスタの具材など、幅広く使用されるようになった。
2007年には、加工用辛子明太子の出荷量が、土産用のそれを逆転してしまう。
一般家庭のごく身近なものになったのである。
そんな中、鳴海屋にはこだわり続けている事がある。
曰く、
業界では希少なこだわりの製法。
機械を使わずに、
明太子職人が1本1本手作業で漬け込んだ
一流料亭の職人達が唸り、愛する。
発売当初の方針を一切変えていない。
とのこと。
スーパー・コンビニの特売で、見かけることはないのである。
・・・・いま食べたい。 上品な味だ。
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