博多区住吉1丁目にある「キャナルシティ博多」は、1996年4月に開業した複合型商業施設、福岡を代表する娯楽・観光・ショッピングのスポットである。
実を言うとこの地域、以前は「カネボウ跡地」と呼ばれていた。
昭和34年(1959年)まで、かつて日本の大企業として存在した「カネボウ株式会社(旧・鐘淵紡績)」の工場だったのである。
業績悪化により閉鎖された後は、「カネボウプール」やゴルフ場・駐車場という形で運営されていたが、天神・博多駅周辺の再開発が進む中、注目度を失い一気に住吉の町とともにさびれ、治安も悪化したという。
しかし、昭和52年(1977年)地元の不動産開発会社・福岡地所がこの土地を買収したことが転機になった。
「単なる商業施設ではなく、人々が楽しめる『街』をつくる」をコンセプトに、設計を米国の建築家ジョン・ジャーディ氏に依頼、今までにない全く新しい『街づくり』の構想が始まった。
その後17年の歳月をかけ、43,485㎡の広大な敷地内に、「キャナル(運河)」を模した池を中心に据え、2つのホテル、商業施設、映画館、劇場、ショールーム、ビジネス棟など、計7つの建物群を擁する壮大な複合施設を完成させたのである。
今では、後にオープンした川端エリアの博多リバレインと供に、日々多くの人々で賑わう巨大商業エリアになっている。
で!ここで紹介したいのが、プロジェクトを陰で支えた人物、当時の福岡地所社長・槙本一彦氏の叔父で、福岡シティ銀行(現:西日本シティ銀行)社長だった四島司氏である。
四島氏といえば、ベスト電器、ロイヤルホールディングス(ロイヤルホスト)、三井ハイテックといった大企業が地場ベンチャーだった頃から、その支援に力を入れた人物(自称・銀行に向かない男)として知られている。
誰も見向きをしなかった「カネボウ跡地」に、ある可能性を見いだし、ガンガン融資。。。
そんな銀行家が、博多にも存在したのである。
キャナルが盛り上がるのにも時間がかかったからね~。 (つづく)
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