いつまでも変わらないということは、、、
住吉通りから美野島商店街に向かって30mほど入ったところに「だるま堂」というパン屋さんがある。
外観は、この地域に見られる昭和の古き懐かしい時代を思わせる造り。
店内には、奥の工房でひとつひとつ丁寧に焼き上げられたばかりのパンが、3段の棚にぎっしり並んでいる。
アンパン、クリームパン、フランスパン、カレーパン、ドーナッツ、たまごサンド、メロンパン、、、、、
奇をてらった様なものはなく、どれもネームプレートや商品説明の必要がないものばかりである。
ほとんどが、100円そこそこ。
焼きたて、ふんわり、安くて美味しい。
当然、地元では人気で毎日買いに来る常連客も多い。
すぐ隣にある精華女子高校の歴代JK達もみなお世話になったことだろう。
聞けば、お店をオープンしたのは昭和24年だという。
戦後まもなくだ。
それは、レストラン「ロイヤル」の創業者・江頭匡一氏が福岡空港に第1号店を開業する7年も前の事である。
それから約70年、ロイヤルは、ファミリーレストランチェーン「ロイヤルホスト」や「シズラー」を全国で展開する大企業になった。
「だるま堂」は今もこの場所で、地域の人達のためにいつものパンを焼き続けている。
お店から100mも離れていないところにロイヤルホスト住吉店がある。
そこで働くスタッフ達は、そんな歴史など知らないだろう。
焼き上がったばかりのソーセージ入り揚げパンをかじりながらコーヒーを飲むと、これからもずっと変わらない「だるま堂」でいてほしいと思ってしまう。
ところで、、、、
え?
えぇーー!!!???
レジに立っているお母さんに「ご主人の趣味ですか?」と尋ねると、
「も~ね~、、、」
とだけ返ってきた。
奥では、ご主人がせっせとパンを焼いている。
夫婦の歴史も感じる。