博多な?かっちゃん大ネタ小ネタBLOG

興味あることをツラツラと。。最近、神社とか寅さんネタやってます。。

第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」マドンナに失恋しなかった寅さん!?

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シリーズ屈指の名作かも知れない。。。

 

オープニングで流れる主題歌。

 

2コーラス目の歌詞がいつもと違う。

 

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あ~てもなにの、あるような素振り

 

それじゃ行くぜと、風の中。

 

止めにくるかと、あとふりかえりゃ、

 

誰も来ないで、汽車がぁ来る。

 

男の人生、一人旅。

 

泣ぁくな、嘆くな~。

 

泣くな、嘆くな、影法師。 

 

かぁげ~ぼうしぃ~♬

 

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ところで、今回の主役は、画家の池ノ内青観を演じた宇野重吉だったのではないか。

 

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昭和初期から長く演劇界をリードしてきた名優である。

 

居酒屋で、無一文のところを寅さんに助けられた青観。

 

お詫びにと、画用紙に落書きのような絵を書く。

 

古本屋にもっていくと7万円。

 

当時の、大卒の初任給くらいの値段がついた。

 

実は、日本を代表する画伯だったのである。

 

その後、生まれ故郷、岡山県龍野に招待された青観は、寅さんと、ばったり再会。

 

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お座敷での接待三昧を寅さんにまかせ、青観は、ある女性に会いに行く。

 

閑静な場所に、古い趣のある屋敷。

 

玄関には、消えかけた茶華道教室の看板。

 

一人で暮らす志乃だった。

 

演じたのは、岡田嘉子。

 

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ものすごい経歴をもつ女優である。

 

昭和初期から舞台で活躍していたが、1937年(昭和12年)に共産主義者の恋人とソ連に亡命。消息を絶つ。

 

直後に恋人は処刑。本人も収容所を転々とする境遇だった。

 

本作への出演は、35年ぶりに恋人の遺骨とともに帰国した直後である。

 

志乃「お見えになっとることは聞いとりました。どうぞ」

 

青観「あ、じゃ…」

 

ゆっくり、静かな時間が流れた後、お茶の用意をしている志乃。

 

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青観「僕の絵をたまには見ますか」

 

志乃「へえ、去年京都で個展をなさいました時、観に行きました」

 

青観「…そうですか」

 

青観「確かあの中にも、あなたを描いた絵があったはずだが…」

 

志乃「へえ、気がついておりました」

 

何年振り、いや、何十年ぶりの再会なのか。。

 

でも、この二人の関係が、昔に戻る事はないのである。

 

志乃の最後の台詞。

 

「私、このごろよく思うの、人生には後悔はつきものなんじゃなかしらって。あーすりゃよかったなあ、という後悔と、もう一つは…、どうしてあんなことしてしまったんだろう…、という後悔…」

 

流れる空気に、たどった人生の激しさは微塵も感じられない。

 

岡田嘉子と宇野重吉。

 

戦前戦後、プロレタリア演劇の中心的な存在だった二人が、「夕焼け小焼けの町」龍野で穏やかな時間を過ごすシーンが、なんとも印象深い。


遅くなったが、今回のマドンナは、龍野の売れっ子芸者、「ぼたん」である。

 

演じたのは、大地喜和子。

 

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戦後の日本を代表するカリスマ女優、杉村春子の再来と言われた舞台女優だった。

 

テレビの出演作品は、

1972年「おらんだ左近事件帖」で、「おみね」

1973年「木枯し紋次郎」で、「お六」

同年「子連れ狼」の1部1話で、「お浜」、2部3話で、「おしな」

1794年「座頭市物語」で、「お駒」・・・等々、挙げたらキリがない。

 

顔は派手だが、まぁ日本髪が似合った。

 

本作では、なんと寅さんは失恋しない。

 

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もっと、言えば今回、寅さんは恋愛をしていない。

 

と思う。

 

エンディングで、龍野の現れた寅さんは、ぼたんに向かって、

 

「おまえさんと所帯を持とうと思って、やって来たんだよ。」

 

という。

 

冗談である。。。

 

寅さんは、ぼたんのような境遇の女性には、恋心を抱かない。

 

同志、仲間のような感情を抱く男なのである。

 

と思う。