「立志編」
ということで、今回の寅さんは、学問を志す。
だがしかし、地元の柴又には、そんな環境どこにもない。
そこに現れたのが、大学で考古学に従事する女性。
筧 礼子(かけい れいこ)
今回のマドンナである。
演じたのは、樫山文枝。
寅さんが、「愛情とは」について語る場面がある。
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あー、いい女だな、と思う。
その次には話をしたいなあ…、と思う。
ね?
その次にはもうちょっと長くそばにいたいなあ…、と思う。
そのうち、こう、なんか気分がやわらかーくなってさ、
あーもうこの人を幸せにしたいなあ…って思う。
この人のためだったら命なんかいらない!
もうオレ、死んじゃってもいい、そう思うよ。
それが愛ってもんじゃないかい?
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なんて言いながら、礼子にはあまりに弱気。
「わたしね、プロポーズされたの。」
と相談された直後、妹さくらに
「礼子さん、結婚するんだってよ。」
フラれてもいないのに、身を引いてしまう。
学問の志もあっさり手放す。
エンディングは、正月の駿河湾。
真正面に、富士山が見える港から船に乗り込む寅さん。。。
ところで、本編の冒頭付近のシーンでは、桜田淳子が登場する。
1972年、タレント発掘のテレビ番組『スター誕生!』に出場。
前代未聞、25社からスカウトされて、歌手デビュー。
「わたしの青い鳥」大ヒットを飛ばした。
山口百恵、森昌子と共に、「花の中3トリオ」として一世風靡したアイドルである。
本作では、修学旅行で山形から出てきた女子高生・最上順子を演じている。
寅さんは、16年間、母親の雪に毎年500円を添えて手紙を送り続けて来た。
本当の理由を知らない順子は、寅さんを本当の父親と思い込んでいたという設定。
なぜ、こんなシーンを作ったのか。。。
山田洋二監督に聞いてみたい。