シリーズでは前代未聞。
寅さんの、本気プロポーズシーンが見られる。
お相手は、花子。
青森県生まれの知的障害を持つ20代の女の子である。
演じるのは、榊原るみ。
「帰ってきたウルトラマン」の主役・郷秀樹の恋人役を演じた女優として有名?である。・・
時代は、1970年代。
集団就職で故郷を離れ、静岡県の紡績工場で働いていたが、辛くて逃走。
実家に帰ろうとするところで、寅さんと出会う。
あまりに無防備な花子を放っとけなくなった寅さんは、身の回りの面倒をすべて見るようになり、いつしか結婚まで考えるようになる。。。
ある日、荒川沿いの堤防で、
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花子、もうおまえどこへも行くな。
故郷にも帰るなよ。
ずっとここにいろよ。
オレが一生面倒見るからよ~。
なあ、花子!
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♬ふーけゆく~、あーきのよ~♬
花子は、歌いながら草花を摘んでいる。
聞こえてない。
か、意味がわかってない。。。
想いは届かず失恋。
かなりショックな展開である。
ラストシーンは、花子の故郷。
青森の津軽
雪に覆われた岩木山と荒海がバックである。
晴れ晴れしさを感じない、寒々としたエンディング。
神社仏閣もほとんど登場しない意味深(いみしん)な第7作である。
そんな中、ちょっと登場する五代目柳家小さん師匠は、実に印象的だった。
わかんないかねぇ
目なんか変にこう・・・
間がぬけててさ、確かにありゃぁどっかの紡績工場から逃げ出されたに違いないよ。
確かに、今、人手不足だからねぇ、
工場の人事課長かなんかが、田舎行って、
そいでまぁ、ちょっと変な子だけども、
頭数だけそろえておきゃぁ、なんてんで~ひっぱってきたもんの~、
人並みに働けねえ、しょっちゅう叱られてばかりいて、、、
いやになって逃げ出すってやつだよ。。。
沼津のラーメン屋の大将が、粋な江戸っ子口調だった。。。