第3作のマドンナ
新珠三千代(あらたまみちよ)
という女優をご存じだろうか。。
1930年3月17日生まれ。
宝塚歌劇団33期生。
雪組女役のトップスターである。
退団後、東宝芸能に所属し、多くの映画に出演した。
人気を決定づけたのは、
テレビドラマ「細うで繁盛記」
主人公の加代を演じた。
大阪の老舗料亭「南地楼」で生まれ育った加代だが、戦後実家は没落。
半ば、騙されるように伊豆の小旅館「山水館」に嫁いだ。
待っていたのは古いしきたりを守り、沈みゆくタイタニックを更に沈めようとする人々。
なおかつ戦争の傷で、夫は男性機能がまったくダメ。。。
なのに、加代は操を立て続け、押し寄せる不倫の誘いをことごとく寸止めという設定。。。。。
で、幾多の葛藤を乗り越え、戦後の復興とともに旅館を大繁盛させるという痛快&悲哀&悲哀&悲哀&悲哀に満ちたストーリーである。
最高視聴率38%、社会現象ともいえる大ヒット作品となった。
このドラマがスタートしたのは、1970年1月8日。
で、寅さん3作が公開されたのが、7日後の1970年1月15日。
偶然なのか?
そーなっちゃうと、もう
温泉宿の女将と言えば、新珠三千代
というイメージが定着してしまう。。
本職の女将にとっては、まぁ、迷惑な話である。
そこそこの美人でも、泊り客からがっかりされる時期が続いたという。
映画の話にもどるが、新珠三千代が演じた女将が仕切る旅館は、
三重県の湯の山温泉にある。
古くから東海や近畿の奥座敷と呼ばれた。
養老2年(718年)に発見された古い湯治場である。
歓楽街を持たない、ひなびた温泉地。
そんなところに新珠三千代が出てきて、
三つ指つかれて
「行き届きませんが、どうぞごゆっくりお過ごし・・」
とか言われたらね~。
一生、お過ごしたくなった寅さんは、正しい。
【外部リンク】
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/