「寅さん」
ご存じだろうか。
山田洋次原作&監督の国民的映画に登場する主役の愛称である。
本名は、車寅次郎
旅から旅のテキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと寅次郎が、たまに故郷の葛飾柴又に戻って来ては、大騒動や大失恋を繰り返すというストーリー。
全シリーズで合計39人の女性が登場する。
成就しない寅次郎の恋愛模様を、日本各地の美しい風景を背景に描いている。
最初は、1968年(昭和43年) にフジテレビで放映されたテレビドラマだった。
当時、新人監督だった山田洋次が、渥美主演のドラマ脚本を担当したことで本作の企画が始まった。
山田監督が、初めて渥美に会った時、
まるで名人の落語のような豊かな話術と、テキ屋の口上を簡単にものにしてしまう驚異的な記憶力に圧倒されたという。
「この本当に頭がいい人が、本当にバカな男を演じると凄い作品ができるのでは・・・」
「寅さん」というキャラクターは、名優・渥美清という存在があって、初めて誕生したものだったのである。
予想通り、ドラマは大ヒット。
だが最終話で、寅次郎が奄美大島でハブに咬まれて死んだという結末に視聴者から、猛抗議が殺到した。
で、しかたなく?映画化につながったという。
松竹映画の代表作「男はつらいよ」の誕生である。
26年間に渡って公開された48作の配給収入は464億3000万円、観客動員数は7957万3000人を記録した。
その1作目、オープニングのナレーション。
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桜が咲いております。
懐かしい葛飾の桜が、今年も咲いております。
思い起こせば20年前、つまらねえことで、おやじと大喧嘩。
頭を血の出るほどぶん殴られて、
そのままプイっとうちをおん出て、
もう一生帰らねぇと、覚悟しておりましたものの、春の咲くころになると、決まって思い出すのは故郷のこと。
ガキの自分、はなったれ仲間を相手に暴れまわった水元公園や、江戸川の土手や、帝釈様の境内の事でございました。
風の便りに、ふた親や秀才の兄貴も死んじまって、今たったひとりの妹だけが生きていることは知っておりましたが、どうしても帰る気になれず、今日の今日までご無沙汰に打ち過ぎてしまいました。
今、江戸川の土手に立って生まれ故郷を眺めておりますと、何やらこの胸の奥が、ポッポと火照ってくるような気がいたします。
そうです。
わたしの生まれ故郷は、東京。
葛飾の柴又でございます。
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私が子供の頃に、心を躍らせたものはたくさんあるが、
長嶋茂雄より、
ジャイアント馬場より、
オムライスより、
なんと言っても、
ブルース・リー
と
フーテンの寅さん
だった。
子供心に思ったのは、
「男のどこが、つらいの?」
多くの男の人生を、あっち方向に狂わせる映画だった。
旅、和の景色、切ない感じ、なんともいえん感じ、、、
ということで、神社一之宮シリーズの後は、寅さんシリーズについて書いていこうと・・・
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