兵庫県宍粟市(しそうし)
姫路市から北に40km、山村にその神社はある。
祭神は、伊和大神(いわのおおかみ)
大国主命の別名とも言われるが、史上初めて播磨を統一した神とされる。
播磨国風土記によると、
出雲の国譲りの後、郷土を出た伊和大神は、播磨の地で散在した土着の部族を一つにまとめ上げた。
伊和族の誕生である。
一族は、揖保川流域を開拓し、播磨をあっという間に豊かな国にしたと伝わる。
他民族との葛藤もあった様だ。
ある日、揖斐川河口に大船団が押し寄せた。
新羅の王子アメノヒボコ率いる渡来人たちである。
高圧的に、播磨の国譲りを迫ってきた。
伊和大神は、これに大反発。
戦争となる。
アメノヒボコの兵は八千。
陣地跡は、兵庫県神崎郡の「八千種(やちぐさ)」という地名で残っている。
播磨一国の争奪戦は、現在の姫路市全域におよぶ壮絶な死闘となった。
結果は、伊和軍の勝利。
アメノヒボコは、播磨の北、但馬の国に逃れていった。
その後も隣国の但馬とは、ごぜりあいが続いたという。
その度に、伊和大神は兵を挙げ、侵入者を撃退した。
現在、伊和神社の祭神は、五穀豊穣、産業の神、縁結び、福の神などとして平和な感じで祀られているが、
播磨国風土記には、明らかに「戦いの神」として描かれている。
豊かになれば、必ず誰かに狙われるということか。。。
やっぱね、国を治めるって大変なのよ。。
話は変わるが、播磨国風土記の一節に
「神様にお供えしたご飯にカビが生えてきたので、それで酒を作って献上した」
とある。
日本初、麹を使って酒を造ったという記述。
場所は、宍粟市の庭田神社と考えられている。
播磨は、日本酒発祥の地だった。
ちなみに、酒米の王様「山田錦」発祥の地も播磨。
「酒は飲め飲め、飲むならば~」
ご存じ「黒田節」のモデル母里太兵衛も播磨出身。
ということで、お勧めは兵庫の日本酒ランキング5位「奥播磨」
以上、山陽道編は終了。
南海道編へ。
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