博多区住吉4丁目に「TAIZO住吉本店」というラーメン店がある。
私が、博多区住吉に移り住んで最初に食べた味だ。
今回はそのお店の、ある味付けについて少し語ってみたい。
「黒マー油」
揚げるか炒めるかで適度に焦がしたニンニクとごま油を主な材料にして作った調味油である。
真っ黒で、かなり香ばしい香りがする。
そのまま舐めると、めっちゃ苦いのだが料理に入れるとこれがね~凄いのよ。
主に炒め物、チャーハンやカレーなどにも使われ、料理の風味に香ばしさが加わる「究極の隠し味」としてプロアマ問わず今や全国各地で大人気である。
元々、九州のラーメンの香味として使用されており、本場の熊本で昭和30年創業「桂花ラーメン」では、自家製香味油を「魔油」とも呼んでいる。
で、熊本だけでなじみの深かった「黒マー油ラーメン」を全国に広めたのが、1997年(平成9年)創業、神奈川県秦野市に本店をもつ「なんつっ亭」だと言われる。
創業者・古谷氏が熊本で修行を重ね、その味を武器に地元で開業したところ数年で大ブレーク。
7段階に揚げ分けたニンニクに、揚げ油とごま油を調合して作るというこだわり抜いたレシピで、ラーメン好きの心をあっという間にワシ掴み。
今や関東一円、海外はタイ、シンガポールにも出店している。
2004年には、日清食品からカップラーメンも発売された。
会社HPでは、「黒マー油ラーメンのパニオニア」を自称している。
ひるがえって、同時期に開業した「TAIZO」はどうかといえば、、
長く黒マー油の味で勝負し続けているが、おもてだって宣伝もせず、HPやFacebookを運営している気配もない。
店作り同様、営業手法の派手さは微塵もない。
だが、福岡で「黒マー油」と言えば、ラーメン通は皆「TAIZO!」と答える。
これも時間をかけて創り上げた正真正銘のソーシャルネットワークである。
福岡でのパイオニアは、ココだ。
ちなみに「富山ブラック」有名だが、あれは「マー油」じゃないよ。