山梨県笛吹市
主祭神:木花開耶姫命(このはなさくやびめのみこと)
浅間神社は、富士山に対する信仰の神社である。
奈良時代末から富士山の火山活動が活発化し、あまりの凄まじさに人々は怖れ、火山神(浅間神)としての信仰を強めた。
甲斐国一之宮浅間神社と駿河国一之宮富士山本宮浅間大社は、全国1300か所に広がった浅間信仰の中心的存在である。
ここでは、その主祭神・木花開耶姫命について語ってみたい。
古事記・日本書紀で、天孫降臨伝説に登場する絶世の美女。
神代の時代、高天原からニニギノミコトが下界を治めるため、お供を従えて九州高千穂に降臨。
その後、今の鹿児島近辺で出会った美しい娘が、
木花開耶姫命(このはなさくやびめのみこと)
と言われている。
日本初のキラキラネームか。
一瞬で、ニニギノミコの心をわし掴み。
古代史のトップスター天照大御神の孫を一発で射止めた、史上最高の玉の輿である。
疑問はここから。
神話なので、細かい指摘(つっこみ)は避けるが、この美しい女性が、なぜ全国に広がる富士山信仰の象徴になっていったのか。
猛り狂う活火山を女神と崇める理由はなにか、どうも理解に苦しむ。
がしかし、世界を見渡すと似ているケースがある。
例えば、南国の楽園ハワイで最も有名な神様は、ハワイ島キラウエア火山で年中爆発している女神ペレ。
今までいくつもの集落を壊滅させたキラウエアのペレを、人々は、炎、稲妻、ダンス、暴力を司る神と崇めた。
美しく情熱的だが気性が荒く、嫉妬や怒りですべてを焼き尽くす・・・っておい、それ神様かよ。。
だが、ポリネシアの人々は、多くの神々の中で最もペレを敬愛していたのである。
女性的、母性的な存在を神として崇めた。
ということか。。。いろんな意味で。
話を日本に戻すが、木花開耶姫命がペレの様に火の神になった理由とは。
記紀では、懐妊の折、夫ニニギノミコトに
「本当に私の子か?」
と疑われた姫は、潔白を晴らすため、
「正統な御子ならどんな災いがあっても無事に産まれるはず!」
と産屋に籠って火を放ち、その場で三つ子を出産したと伝わる。
・・・激しい。
ニニギノミコトの
「わかったから。もうわかったから!」
と慌てる様子が、簡単に想像できる。
「大逆ギレ」のあげく、皇子の出産という大手柄。
古代日本でも、女性は神様並み(以上?)に強かった。。。
【外部リンク】
http://asamajinja.jp/