筑前國一之宮「住吉神社」の敷地内には、他にも神社が祀られている。
ひとつは、「三日恵比寿神社」
目立つところにあるので知っている人もいるだろう。
毎年1月3日に例祭(通称:三日恵比寿)が行われ、元旦の初詣とは別に商売繁盛や豊漁豊作など開運祈願に多くの人が参拝に訪れる。
で、今回紹介したいのが、その奥の方にひっそりと祀られている神様。
恵比寿様の裏に回るとそこには、「唐門」と呼ばれる屋根に唐破風が施された朱塗りの門がある。
江戸時代後期に建てられたそうで、かつては本殿前にあったとのこと。
そこをくぐると、赤い鳥居が幾重にも連なっている。
通り抜けると、その左側に祀られているのが、
「白鬚稲荷神社」
と、
「荒熊稲荷神社」
である。
鳥居にもふたつの名前が並んでいる。
そして社殿の裏には、なんと別の社殿が背中合わせに建てられている。
「宇賀神社」だ。
場所は、住吉神社本殿の左奥にあたる。
白髭稲荷神社の表の裏は住吉神社の表だった。
これら3つのお社だが、住吉神社公式ウェブサイトには個別の名はなく、ただ「稲荷神社」と紹介されており、10月の例大祭、11月の鞴祭(ふいごさい)、2月の初午祭(初午祭)といった行事が行われている。
祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。
この神様こそ全国各地で祀られている「一番メジャーなお稲荷さん」である。
「うか」とは穀物を指し、五穀豊穣と商業の司るお役どころ。
そこに白髭(猿田彦神など)や荒熊(猪熊大神など)という名の、同じく人々に様々な恵みをもたらす神様も一カ所に集まって更にパワーアップといったところか?
益々、ご利益のある信仰対象となっていったのだろう。たぶん。
まさしく、日本神話版アベンジャーズ。
博多が栄えた理由がここにあった。。。
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